あらすじ
参勤交代の途上、大名行列は大井川で足止めを食った。川留めである。ただし、水は引いていた。天気もよかった。川越人足も揃っていた。問題はただ一つ、川の中に、人を食うほど巨大なピラニアがいたことである。かくして、川を渡るだけのはずの参勤交代は、藩の威信をかけた妖魚対策へと変貌する。川越人足は逃げ、武士は食われ、役人は書類を作り、藩は鉄砲を並べ、ついには大筒まで持ち出されることとなる。
なぜ、ただ川を渡るだけで軍事作戦になるのか。なぜ、最初から橋を架けないのか。なぜ、魚相手に武士の面目を保とうとするのか。
参勤交代、メガピラニア編。
これは、橋一本で済んだはずの、たいへん格式ある大騒動である。