あらすじ
婚約者のアレードは、人の忠告を話半分にしか聞かない侯爵家の嫡男だった。しかし、困っている者を助けたいという思いは本物で、慈善活動にも惜しみなく財を投じようとする善人だった。
しかしある日、アレードが関わろうとしている慈善会の資料を見たクラリスは、不穏なものを感じる。孤児院の設立、救貧所への支援、施療院への寄付。どれも素晴らしい言葉ばかりが並んでいたが、無尽蔵に寄付するのはよくないと何度も忠告する。けれど、アレードは「心配しすぎだ」と笑い、善意の裏にある危険を見ようとしなかった。
そして後日、クラリスの危惧は現実となる。アレードは突然、国家反逆罪の疑いで兵士に連行されてしまう。自分の愚かさを悟った彼は、クラリスを巻き込まないために婚約破棄を願うが、クラリスはそれを拒んだ。