あらすじ
「あと一億二千万か……」
銀行残高不足、ランク更新手数料も払えない――。第四連合国の片隅で泥水をすする零級最弱ハンター・夜凪 迅。
ある夜、そんな彼のもとに届いたのは、生存率の低いインパルス圏外への「D級扉・強制招集命令」だった。
集められたのは、高圧的なC級聖騎士率いる格上の即席パーティー。しかし、いざ開かれた『扉』から溢れ出たのは、D級を遥かに凌駕する絶望的なまでの「死の空気」だった。
周囲がその圧倒的なプレッシャーに恐怖で足を止める中、なぜか零級の迅だけは冷静に、使い古したバッグの紐を肩に食い込ませる。
――ただの荷物持ち(スカウト)と侮るなかれ。不気味な鼓動を刻む扉の奥へ、借金返済と30万円の割に合わない仕事のために、男はいつも通り歩き出す。