あらすじ

休職中の三十五歳・湊は、友人の灯真に誘われ、群馬の山奥にあるキャンプ場へ向かう。 近くには、閉園したまま残された廃テーマパーク「帰月村」があった。 宿場町を模したその村の奥には、赤い着物の女性人形が今も二階の窓辺に座っている。 ただの人形。 そう思っていた。 けれど、灯真が撮った一枚の写真には、見覚えのない違和感が写り込んでいた。 そして夜、誰もいないはずの帰月村に、淡い灯りがともる。 帰る場所はある。 妻も、娘も、静岡の家もある。 それなのに、なぜ自分は帰れないのか。 人形は何を見ていたのか。 そして、閉じたはずの村は、誰を待ち続けているのか。 これは、人生の途中で立ち止まった男が、ひと晩だけ迷い込んだ、不思議な宿場町の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/07/08
  • 現在の作品帰月村の見送り人形