あらすじ
「クロイツ団長。わたくしの恋人のフリを、していただけませんか」
王太子殿下には、本当に想う方がいる。わたくしも、この政略婚約を穏便に解消したい。だから筋書きを逆にした。――先に心変わりをしたのは、わたくしの方ということにすればいい。
その“恋人役”に選んだのは、王国最強にして無表情、誰も近づけない「氷の騎士団長」アーレン・クロイツ。完璧な人選のはずだった。
完璧すぎるエスコート。用意周到な贈り物。名前を呼ぶときだけ、ほんのり赤くなる耳。
(さすが団長。お仕事は何でも完璧になさるのね)
そう、わたくしはまだ、何ひとつ気づいていなかった。
彼の演技が、最初から、ただの一度も“フリ”ではなかったことに――。
両片想い×勘違いラブコメ、甘く焦れる婚約破棄。読み切り短編です。