あらすじ

1991年、ソビエト連邦は崩壊した。 独立を果たしたウクライナの領土には、約1,900発の戦略核弾頭、176基の大陸間弾道ミサイル、そして戦略爆撃機部隊が残されていた。 一夜にして世界第三の核戦力を抱えることになった新国家。 しかし、その核兵器を維持する力も、運用する仕組みも、まだ存在していなかった。 核を保持するべきか。 放棄するべきか。 ロシアは旧ソ連核戦力の継承を主張し、アメリカは核拡散を恐れ、イギリスは慎重な均衡を求める。 さらに中国とフランスも独自の立場から交渉に関与していく。 物語の主人公は、ウクライナ、ロシア、アメリカ、イギリス、中国、フランス、ベラルーシ、カザフスタンの架空の外交官たち。 彼らは国家の理想と現実の狭間で苦悩しながら、歴史的な外交交渉に挑む。 そして1994年12月5日。 ブダペストで交わされた一つの約束。 それは「Security Guarantees(軍事的防衛義務)」ではなく、「Security Assurances(安全保障上の保証)」だった。 果たしてその違いは何だったのか。 なぜ世界は軍事同盟ではなく政治的約束を選んだのか。 核兵器、外交、安全保障、国際法、そして国家の生存。 実際の歴史をもとに描く国際政治ドラマ。 これは、核兵器を放棄した国々と、それを見届けた世界の物語である。

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カクヨム2026/07/07
  • 現在の作品『1994年核兵器を放棄した日ーブタペストの約束ー』