あらすじ
勇者パーティーの支援術師リィナは、魔王討伐を前に「役立たず」として追放される。
攻撃もしない。治癒も目立たない。戦果も残さない。
勇者たちは、彼女がいなくても何も変わらないと思っていた。
勇者パーティーを追放された夜、リィナの前に現れたのは、討伐対象であるはずの魔王ヴェルナだった。
「今度こそ、間に合った」
魔王は泣きそうな顔でそう言い、黒い記録片を差し出した。そこには、リィナが百回の未来で死んできた記録が残されていた。
勇者の盾になって死んだ未来。
聖女の治癒暴走を肩代わりして死んだ未来。
魔王討伐後、功績を消されて処刑された未来。
リィナが「役立たず」だったのではない。
彼女は、誰にも見えない場所で、仲間たちの死因を消し続けていた。
そして、百一回目。
魔王がようやく辿り着いた唯一の救出地点は、リィナが勇者パーティーから追放された瞬間だった。
追放された支援術師と、彼女を百回救えなかった魔王。
これは、捨てられた少女が魔王にただ溺愛されるだけの話ではない。
百回失敗した魔王を、百一回目のリィナが救い返す物語。