あらすじ

「給料、ない」 「いいです」 「住む場所も、ここだけ」 「いいです」 「……なんで?」 「なんとなく、いい本棚だと思ったので」   水路が街の血管となった水都、アクアヴェナ。 街の外れにある古書店『霧ノ底書店』は、本を売るだけの店ではない。 水路に落としたものを探してほしい。 行方の分からない誰かに伝言を届けてほしい。 夜の水面に現れる"何か"を確かめてほしい。 そんな、どこにも頼めない困りごとが、この店には持ち込まれる。 店を切り盛りするのは二人の人外。 「何者かになりたい」と願い、今日も違う自分を探し続けるレイ。 変わることを恐れながら、静かな書店を守り続けるアンバー。 性格も、生き方も、何もかも正反対の二人は、今日も水都を歩く。 忘れられたもの。 消えてしまったもの。 それでも、どこかに残っているもの。 これは、忘れることで生き延びた者たちが、忘れたものの形だけを抱えて、もう一度出会い直す物語。

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カクヨム
カクヨム2026/07/07
  • 現在の作品アクアヴェナの忘れもの