あらすじ
桐島博之、十七歳。となりに住む双子の幼なじみ、水瀬美紀と美香とは、生まれた日からの付き合いだ。一緒に風呂に入り、一緒にご飯を食べ、一緒に学校へ通う——お互いの家の合鍵を持つほどの、家族同然の関係。
そんな博之には、誰にも言えない悩みがあった。朝、目を覚ますと必ずベッドに美紀か美香のどちらかが潜り込んでいて、博之を抱き枕にして眠っているのだ。しかも決まって、小さな掌が博之の「朝立ち」をしっかりと握っている。
もちろん、嬉しい。嬉しいのだが、美紀も美香も選べるわけがない。一卵性双生児の二人は、本人たちにとっては博之はただ一人の幼なじみでも、博之にとっては「同じ顔をした、まったく違う二人」なのだ。
歩き方、笑い方、首を傾ける角度——博之にだけ見分けられる、その特別さが、いつしか二人それぞれの気持ちを動かしていく。「ちゃんと見てくれてるんだね」と呟く美紀。「いつかちゃんと答えてほしい」と笑う美香。
近い将来、この双子のどちらかに、自分は選ばれてしまうのだろう。あるいは、選ばなければならなくなるのだろう——そんな予感を抱きながら、博之の甘くて危険な毎日は、今日も「また、いる」の一言から始まる。
家族のような近さと、恋愛としての距離感。生まれた日からずっと隣にいた三人が、本当の気持ちに気づいていく、年上彼氏要素ゼロの幼なじみ系ラブコメ。