あらすじ
テンケル山の洪水跡で、一体のゴーレムが生まれた。
土と石と湖水。
そして、古い戦場に捨てられていた折れた武器。
それらが混ざって目覚めたそのゴーレムには、普通の同族にはないものがあった。
知性である。
ゴーレムは、人間を見た。
その肉体は脆く、牙も爪もない。
だが、彼らは武器を持っていた。
弱い肉体が、刃を持てば魔獣を斬る。
細い腕が、槍を持てば遠くの敵を貫く。
小さな身体が、盾を持てば牙を受け止める。
ゴーレムは理解した。
武器は、弱いものを強くする。
ならば、強いゴーレムが武器を覚えれば、何になるのか。
やがて彼は、ただの石の魔物ではなくなる。
武器を身体に埋め込み、魔力を通し、敵対した強者の精神と技を装備に残す。
倒した者を忘れず、壊さず、素材として鍛え直す。
人間から見れば、それは禁忌。
魔物から見れば、それは進化。
ガロムにとって、それは敬意ある保存だった。
そして最後に彼は目指す。
ただ動く魔物ではなく、世界中の武器を生み出す鉱山へ。
これは、知性あるゴーレム・ガロムが、武器を覚え、強者を残し、世界の一部になるまでの物語。