あらすじ
子爵令嬢セシリアの右頬には、十二年前、見知らぬ子供を庇って負った大きな傷がある。以来「傷物令嬢」と呼ばれ、婚約者のセドリック伯爵からも日陰者扱いの毎日。
唯一の楽しみは、夜ごと書き溜める物語と、それを月に一度受け取りに来るチャラい編集者のノアだった。
「そんなんじゃ嫁の貰い手ないっすよー。ま、俺ならいいですけどね」
そんな口癖を聞き流して、四年。
卒業パーティで婚約破棄された夜、いつものように窓辺に現れた彼は、いつもと違うことを言った。
「捨てられたなら、拾っていいよね?」
チャラい編集者の正体は、大国の第二王子で——どうやら私の傷のことを、世界でいちばん愛している人でした。