あらすじ
音が消える。温度が落ちる。世界が静まる。
特異能力者を収容する地下施設「静寂収容区」。
その最深部に隔離されている少女・凍華は、感情の乱れとともに周囲の音を奪い、空気を冷やす能力を持っていた。
彼女の能力は危険だが、暴走して施設を破壊するほどではない。
ただ、わずかな心の揺れが、周囲の温度と静寂を変化させる。
その“わずかな変化”を唯一抑えられるのが、同じく収容されている少女・雪音。
雪音の能力「氷雨の守護」は、凍華の冷気を中和し、静寂の領域を穏やかにする力を持っていた。
監視員は無言で二人を見張り、研究員は彼女たちを“実験対象”として扱い、施設の子どもたちは凍華を恐れながらも憧れの目で見つめる。
凍華は静寂の中で孤独を抱え、雪音はその孤独に寄り添う。
これは、冷たい世界に閉じ込められた二人の少女が、
自分の能力と心に向き合いながら、静かに生きようとする物語。