あらすじ

高校二年生の倉橋雪人の父親は、十年前の冬、雪人を駅のホームに残していなくなった。  残された雪人は、納得できない気持ちを抱えたまま、町の人たちの噂や同情にさらされつつ、母と祖母の三人で生まれた町で暮らし続け、十年経って多少は落ち着いた暮らしを送っていた。  一年前に町に引越してきた松村美和には、引きこもりの姉がおり、そのせいで両親は離婚、父親に捨てられたからこの町にやってきたのだ、という噂があり、雪人はどことなく美和にシンパシーを感じている。  そして十年後の六月、その父親が宝くじの当選金百万円と高級牛肉とともに、突然戻ってきたと思ったら、町では窃盗事件が起こり始めた。  盗まれたのは、ブルーシート、ソーラーライト、ロープ、踏み台、そしてシャクナゲの鉢……と特に価値のないものばかり。  クラスメイトから父親が犯人ではないのかと疑われた雪人は、美和と幼なじみの康介、そして戻ってきた父親とともに犯人を捜すことになってしまう。  そのなかで雪人は、湖のように静かで変わらないと思っていた町に沈んだ小さな秘密を拾い上げていく。

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エブリスタ2026/07/06
  • 現在の作品みずうみの町と、かえるの子