あらすじ
――大好きな親友は、いつの間にか私だけのあの子じゃなくなってしまった。
十三歳の鮎川聡子は、中学に上がって様変わりしたスクールカーストに戸惑いを覚える日々を送っている。
小学校からの大親友・乃朝はその可愛さとしっかりした性格から人気者で、同じグループの気が強い少女・理香は彼女を独占したいあまり、聡子に強く当たる。
中間テストの失敗から、「サニーサイド」という復習メインの塾に通うことになった聡子。聡子はそこで、メモ帳を拾う。メモには小説のアイディアが書き記されていたのだった。
メモ帳の持ち主は花織という、別の中学に通う同級生だった。その出来事をきっかけに、聡子は小説執筆に興味を持ち始める。
そんな折、クラスで演劇をすることになる。ここぞとばかりに脚本に立候補する聡子。ところが同時に手を挙げた乃朝に脚本担当を譲らなかったことを理由に、理香たちをはじめとするクラスメイトからいじめを受け、孤立する。
改めて多数決で脚本を決めることになってしまい、苦悩する聡子。
花織は、聡子の書く物語が「平熱」であると指摘し、自分の内面にある「真実」を書くようアドバイスする。
いじめは日々激化し、乃朝もまた沈黙という形で聡子を裏切る中、聡子は自分と対話するように人魚の末裔の少女の物語を紡ぎ始める。
それは美しく優しい親友に依存しながら、その裏にある残酷な本性に気づき、海へと消えていく少女の悲劇だった。
執筆の過程で、聡子は人魚の「青」の世界にのめり込んでいき――