あらすじ

あらすじ 専門学校の同級生引田(ひきた)が亡くなった報せを受けた田中賢三(38)は、直葬の火葬場で引田の母親らしき老婆と不動産屋に、半ば騙されるように、ゴミ屋敷と化した引田の部屋の片付けを押し付けられてしまう。 ゴミ屋敷の中には引田の描いた油絵と、昔賢三が預けた原稿用紙があった。引田の死に奇妙な縁を感じつつも、それをひとり背負い込むことに納得のいかなかった賢三はこちらも映画を撮ると嘘をついて、他の専門学校の同級生、卑田(いやしだ)と美佳(みか)を呼び出し、片付けに巻き込むことにした。 「クリエイティブアーチスト専門学院」 その専門学校は自由な新しいスタイルの芸術系専門学校ということだったのだが、実際にはほとんど具体的な学校としての機能もなく、ぼんやりと芸術志望の賢三たちから、学費を巻き上げているような所だった。 賢三は映画監督志望だったが、いまは一般企業に就職し結婚もし、子供もいる。卑田はミュージシャン志望。美佳は女優志望。それぞれがクソ専門学校にだまされ、何もなしえぬまま、太ったりハゲたりしながらも、割り切れぬ想いを抱えてはいた。 賢三は映画を撮るといった手前、冗談とも本気ともつかないくらいのテンションで家庭用ビデオカメラを回していた。 ゴミの中から、引田は死の直前まで絵を描いていたことがわかった。食生活は荒れていたようで、炭酸飲料と菓子パンのみを食べて暮らしていたようだった。そして、どうやらクスリをやっているようだった。学生時代の引田はへらへらしながら絵ばかり描いていた頭の弱いやつ、というイメージとの不一致が、賢三たちを戸惑わせた。 翌朝、卑田と美佳は騙された腹いせに、賢三の専門学校時代の彼女、絵莉子(えりこ)を呼び出していた。ついでに担任のオカマも。絵莉子は唯一この学校の中でまともに絵本の創作活動をしていた。賢三との別れの理由は賢三の嫉妬だった。卑田と美佳の狙い通り、微妙にぎこちない空気のまま片付けは進んで行く。 そんな中、片付けも終盤に差し掛かろうとした頃、引田の恋人だった女が現れ、空気が一変する。

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小説を読もう2026/07/06
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