あらすじ

婚約破棄というものは、一生に一度でもあっていいものではない。 それなのに私は、現実で一度、異世界で百回、婚約破棄を聞かされることになった。 現実世界で婚約者に別れを告げられ、意識を失った私が目を覚ますと、そこは異世界の夜会だった。 金髪の王子が、私に告げる。 「君との婚約を破棄する」 婚約破棄を最後まで言い切られるたび、低い鐘が鳴り、私は夜会の前へ戻される。 泣いても、怒っても、逃げても、証拠を出しても、先に婚約解消を申し出ても、最後には必ず同じ言葉を聞かされる。 百回目。 やけになった私は、菓子卓の粉砂糖を王子へ振りかけた。 王子はくしゃみをして、婚約破棄を言い切れなかった。 その瞬間、いつもの鐘は鳴らなかった。 そこで、ようやく気づいた。 婚約破棄されたから巻き戻るのではない。 婚約破棄を、最後まで聞いていたから巻き戻るのだ。 百一回目。 私は初めて、その言葉を遮る。 「そこまでにしてもらおう」 これは、婚約破棄される役目を降りた私が、異世界でも現実でも、自分の人生を取り戻す話。

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小説を読もう2026/07/06
  • 現在の作品101回目の婚約破棄――最後まで聞いたら巻き戻るので、今度は途中で遮ります