あらすじ
「レイア・アーデンフェルト。お前との婚約を破棄する」
王宮の夜会で、王太子クロヴィスから突然の婚約破棄を告げられた宮廷魔導師レイア。男爵令嬢ミレイユは、レイアが左手に嵌める古びた指輪を「国宝を私物化した証」だと糾弾する。
だが、誰も知らない。その指輪こそが、この国を魔物から守る大結界の起動キーであり、レイアが十七年間、毎晩魔力を注いで維持してきた「生命線」であることを。
過労死して転生した前世の記憶——危機管理コンサルタントとしての冷静さを持つレイアは、静かに指輪を外す。
「では、この指輪もお返しいたしますね」
残業代も感謝もない、社畜同然のブラック職からの退職。彼女が去った夜から、国境の結界にはほころびが生じ始め、辺境にはゴブリン、オーガ、ワイバーンが……。
一方、自由を得たレイアを待っていたのは、寂しがりで甘えん坊な、不器用な竜との新たな出会い。
役割でも、誰かの代わりでもない。今度こそ、私が私のために選ぶ、本当の蜜月が始まる——。
痛快ざまぁと、じんわり温かい溺愛。過労死社畜令嬢の再出発ファンタジー、開幕。