あらすじ

宮廷付き書物官――それは、王国が禁じた古代魔導書を管理し、その真偽を判定するだけの、誰にも顧みられぬ地味な役職。エリアス・ヴェルナーは、第二王子派の政争に巻き込まれ、辺境ラヴェンハルトの呪われた書庫塔へと左遷される。 塔の主となった彼は、しかし憤らなかった。むしろ喜んだ。世界中の禁書がここに眠っているのだから。 蔵書を一冊ずつ検分していくうち、エリアスは戦慄する。この世界の歴史書には、体系的な矛盾が隠されている――五百年前の建国神話、三百年前の魔導大戦、そして現在の魔法体系。すべてが、ある一つの嘘を隠すために書き換えられているのだ。 静寂の書庫で、彼は独り、羽ペンを走らせる。矛盾を、余白に、論理的に書き記していく。 やがて訪れる、灰色の来訪者たち。「書物官殿。あなたは、読んではいけない一冊に、辿り着いてしまわれたようだ」――物語は、静謐な書庫の中で、世界の根幹を揺るがす真実へと収束していく。

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小説を読もう2026/07/06
  • 現在の作品灰色の書庫にて、私は世界の終わりを読み解く