あらすじ

ある日、東京で一人暮らしをする主人公慎一もとに、宅配便が届く。中に入っていたのはペアグラス。差出人欄には、優子と言う見知らぬ人の名前が書いてあった。 そんな折、高校時代のクラス会が開かれることになって、慎一は郷里に戻る。同じ演劇部で仲のよかった美香と話しながら、当時を懐かしく振り返っていた慎一。当時付き合っていて、大学進学と同時に別れた里美のことが気になって、そのことを美香に訊いてみることにした。美香によると、卒業後もしばらく里美と連絡を取り合っていて、里美が東京で就職したことを聞かされた。だけど、いつの頃からか、連絡がぷつりと途絶えてしまったのだという。 かつて付き合っていて、未練を残して別れてしまった里美のことを徐々に意識し始めた慎一。東京に戻った慎一は、美香から聞いた里美の住所を訪れるために、上中里駅に降り立ったのだが……。 訪れた、まだ新築の面影が残るアパート。そこでたまたま出会った女性に、里美のことを尋ねてみると、女性は不思議なことを口にした。それは、里美がどうやら姉妹で暮らしていたらしいことと、その姉妹が一緒にいる姿を一度も見たことがないということ。 心臓を高鳴らせながら向かった部屋で待っていたのは、慎一とそれほど齢の変わらなさそうな一人の女性だった。慎一を部屋に招き入れた女性は、自らのことを優子と名乗る。そう、慎一にグラスを送ったあの差出人だった。 優子は、里美という名前を聞いて、里美が残していったという手紙を慎一に差し出した。そこに書かれていたこと、それは慎一にとって衝撃的なものだった。 なんとなく事情がわかった慎一は、目の前のどこか里美に雰囲気の似た優子に、かつて里美とやっていたように、文通をすることを提案する。それは慎一にとって、里美に対する未練を未来へと昇華させることを意味していた。(11279字 原稿用紙換算30枚)

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小説を読もう2026/07/06
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