あらすじ
南部出身の令嬢アリシアは、雪深い北国を治める領主ローゼン・クライゼンのもとへ嫁ぐことになった。周囲は辺境の寒さを案じたが、アリシアはまだ見ぬ土地と、静かな夫との暮らしに少しだけ胸を高鳴らせていた。
しかし、夫となったローゼンは優しく気遣ってくれる一方で、自分のことをほとんど語らない人だった。夫婦になったはずなのに、どこか距離を感じる日々。アリシアは寂しさを隠さず、「一緒の部屋に寝よう?」と自分から歩み寄っていく。
ある雪解けの日、ローゼンは毎年一人で向かっていた場所へ、初めてアリシアを連れて行く。そこで彼が向き合うのは、帰れなかった友人たちと、自分が生きていることへの罪悪感だった。