あらすじ
ミネルヴァ・スイフナーは、職場である魔法監査課で『ハズレの氷姫』と呼ばれている。
美しい銀髪に冷たげな表情と、新しい魔道具や魔法の申請を却下し続ける冷徹な仕事ぶりから、彼女を煙たがる魔術師達から付けられた不名誉な呼び名だ。
だが実際の彼女は、ただ単に真面目で必死なだけの限界魔術師オタク。
緊張でいっぱいいっぱいなだけなのだが、周囲から誤解されているミネルヴァは、心が限界になった時に向かう場所がある。
それは、魔術棟の奥にある小さな中庭。
人目につかぬよう魔法で猫の姿になってそこで過ごすのが、ミネルヴァのささやかな癒しだった。
そんなある日、猫になっていた彼女は、天敵である若き天才魔術師、ダリアス・ファンローネに見つかってしまう。
彼に嫌われていると思っているミネルヴァは、猫のフリをしてやり過ごそうとするが、「野良のまま城をうろついてると危ないぞ」とダリアスに魔法の首輪を付けられてしまう。
絶対に正体がバレたくないミネルヴァは、首輪をとってもらうため、その日から猫のフリをして彼に近づくことに。
だが正体に気付いていなさそうなダリアスは、なぜか人間の時のミネルヴァにも絡んでくるようになって──…。
「はあ……ほんと可愛いな」
ダリアスの膝の上で愛でられるたび、不覚にもドキドキしてしまうミネルヴァ。
「猫に言ってるだけ。勘違いしちゃ駄目!私に言ってる訳じゃない!」
そんな中、ミネルヴァは魔術師達の不穏な会話を聞いてしまい──?
素直になれない真面目なミネルヴァと、意地悪だけど気付けば彼女にメロメロな魔術師ダリアスの甘い恋のお話です。