あらすじ
現代のコンプライアンスは素晴らしい。三六協定とPC強制シャットダウンのおかげで、部下たちは笑顔で定時退社していく。
――そう、溢れかえったタスクの残骸を処理する『無限労働チケット』持ちの中間管理職を除いては。
QA(品質保証)企業の優秀なプロジェクトマネージャー・小田健太《おだけんた》は、今日も一人静まり返ったオフィスで残務をこなしていた。そんな彼が会社から押し付けられたのは、旧石器時代から人類を繁栄させる『歴史修復シミュレーター』の運用タスク。
サクッと終わらせて終電前に帰るはずが、健太を待っていたのは人事が送るブラックリストよりも冷酷な現実だった。
「安全な木の実を集めろ」と指示を出せば、原始人(NPC)たちは本能のままにサーベルタイガーへ素手で突撃して全損。
慌てて巻き戻しを試みるも、サーバーは常時進行型の一元管理でやり直し不可の一発勝負!
挙句の果てに、数十年後の世界(孫の代)で貯蓄も教育もリセットされてリスポーン!
「お前ら、ドラッカーの『マネジメント』を読め! 組織の目的を理解しろォォォ!」
原始人にビジネス論理を叩き込む健太の「プロマネ病」が今、炸裂する!
他部族との交渉を「無料サンプルの全量デモ配布による無償M&A」と超解釈するアホ原始人どもを率い、健太は品質・コスト・納期・そして安全を管理しきれるのか?
さらに未来のセクターからは、他チームのやらかしによる大洪水や大寒波(仕様変更)が前触れもなく降ってきて――!?
懃懃無礼なシステム管理AI・ミネルヴァを相棒に、二十二時の深夜業アラートをスマートにかいくぐり、明日の「日中放置枠」を死守せよ!
一分一秒の猶予も許されない、中間管理職の歴史修復デスマーチ、ここに開幕!