あらすじ

雨粒の向こうに揺れる、鮮やかなコバルトブルーの傘。――それが、私の恋の始まりだった。 高校1年生の紬(つむぎ)が密かに想いを寄せるのは、かつて自分を泥だらけの「ガキ仲間」として扱い、スカート姿を「似合わない」と笑った憎たらしい幼馴染の「あいつ」・翔(かける)。数年ぶりに再会した彼は、学校中の女子が色めき立つ野球部のスターエースへと変貌を遂げていた。 眩しすぎる彼との距離は遠く、周囲の目や嫉妬を恐れる紬は、校内で「ただの後輩」のフリを決め込む。しかしある雨の日、偶然立ち止まったコバルトブルーの傘の下、ほんの数十センチの距離で言葉を交わした瞬間から、止まっていた二人の時間が静かに動き出す。 怪我を隠してマウンドに立つ翔の痛みに気づいた紬は、彼に近づきたい一心で、大嫌いだった数学の「理系コース」を選択するという無謀な賭けに出る。家族から大爆笑され、担任からも呆れられる中、放課後の補習室で待っていたのは、成績優秀な翔先輩との秘密のマンツーマン指導だった! 「野球はいつか終わるけど、人間の痛みがわかるロボットを作りたい」 夢へ向かって因数分解のように未来を解き明かしていく知的な先輩の姿に、紬の恋心は加速していく。しかし、楽しい時間は刹那。翔は難関大学へ合格し、再び遠い世界へと去ってしまう――。 それから数年後。自らの武器となった数学を胸に、母校の「新米数学教師」、そしてまさかの「野球部顧問」として戻ってきた紬。泥と汗のグラウンドで奮闘する彼女の前に、大手メーカーの精鋭エンジニアとなった翔が突然姿を現す! 立場が逆転したカフェでの数学補習、そして二人きりのレストランで翔から不意打ちで投げ込まれる「160kmのストレート(プロポーズ)」。なんと翔の人生の方程式には、小学校3年生の時の“ある約束”が最初から初期設定として代入されていた!? さらに告げられるアメリカ留学の誘い。恋と仕事、それぞれの夢と未来を天秤にかけたとき、紬が導き出した「大人としての解答」とは――? これは、不器用な少女が「ただの後輩」のフリを卒業し、自分の足でマウンドに立つまでの10年の軌跡。雨上がりの空に二人の放物線が重なり、美しい虹が架かる最高のイニングが、今プレイボール!

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エブリスタ
エブリスタ2026/07/04
  • 現在の作品コバルトブルーの傘~マウンドの君は遠すぎて、「ただの後輩」のフリをする16歳〜