あらすじ

山あいの限界集落に、都会から越してきた兄妹――迅と灯。無口な父と、火加減の下手な母との、ささやかな暮らしがあった。 その朝、畑に「土を肥やす薬」が撒かれた。ほどなく、村は悲鳴で埋まる。灰を浴びた者は、目が灰色の穴になり、人を喰う化け物へと変わっていく。噛まれずとも、ただ浴びただけで。 電話は通じない。村を外とつなぐ電波塔は、初日から沈黙している。助けは、来ない。 化け物に変わった隣人。手にかけるたび、軽くなっていく胸の痛み。そして、この災いの裏にいるらしい、たった一人の影――なぜ、父だけが「撒くな」と言い張ったのか。 浴びた灰は、迅自身の体をも、少しずつ侵しはじめる。残された時間は、七日。兄が妹を守りぬくための、最後の七日間が始まる。 昭和の限界集落を舞台に、喪失と選択を描く、モキュメンタリー・ホラー。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/07/05
  • 現在の作品その灰を浴びた者から、化け物になっていく――限界集落 最後の七日間