あらすじ
クラスごと異世界へ召喚された高校生、篠宮透。
勇者、聖女、剣聖、賢者。
クラスメイトたちが輝かしい職能を授かる中、透に与えられたのは《灰喰い》という忌まわしき外れ職だった。
死骸を喰らい、呪いを啜り、壊れた魔道具と燃え尽きた魔力を灰へ還す力。
王国と神殿はそれを災厄と呼び、透を奈落の底へ突き落とす。
だが奈落は、《灰喰い》にとって死地であると同時に、唯一無二の餌場だった。
朽ちた神殿、魔物の骸、古代兵装の残骸、腐り落ちた呪い。
終わったものを喰らうたび、透の灰は強くなり、肉体は人の限界を越えていく。
そして彼は、青い棺に封じられた少女、牙を奪われた獣人、壊れた機兵、黒炎を宿す魔族少女、奴隷商会から逃げた者たちを拾い上げる。
水を奪わせない。
人を所有させない。
逃げ込んだ者を、誰にも渡さない。
奈落の底に、捨てられた者たちの居場所が生まれる。
やがて、灰色の少年は地上へ戻る。
腰には、壊れた古代刀《灰骸刀》。
隣には、彼を選んだ仲間たち。
背には、世界に捨てられた者たちの居場所。
これは、「いらない」と奈落へ捨てられた少年が、すべての捨てられた者を拾い上げ、やがて灰の王と呼ばれるまでの物語。