あらすじ

1994年、午前8時前の新名古屋駅。 まだスマホもなく、連絡手段は公衆電話と 駅員の声と、少し雑な手書きメモだった時代。 名鉄新名古屋駅の売店《めいてつ小町》で、 勤務5日目の若き舟橋さんが、病院へ向かう男の 駅弁と、就職面接へ向かう女の手作り弁当を 取り違えてしまう。 それだけなら、ちょっといい話で終わるはず だった。 だが、ここは名古屋である。 卵焼き、味噌だれ、病院紹介状、履歴書、 ナナちゃん前の待ち合わせメモ、きしめん、 名駅地下、大須の赤いジャケット。 弁当ひとつの取り違えが、病院、面接会場、 名鉄ホーム、地下街、きしめん店、大須の古着屋、 そしてまだまじめだった若き日の笹川玲二まで 巻き込んでいく。 出会わない10人が、知らないうちに誰かの人生を 少しだけ変えていく。 笑えて、濃くて、ちょっと泣ける。 名古屋の圧が強すぎる駅構内群像コメディ。 これは、あの「味噌カツ事件」へつながる、 10年前の卵焼き事件である。 有賀斗真

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カクヨム2026/07/05
  • 現在の作品新名古屋駅、午前八時前の卵焼き事件