あらすじ
遥か昔、巨人戦役(ギガントマキア)と呼ばれた大戦があった。
その戦は10年続き、かくて一つの栄華極めた帝国を、あっけなく滅ぼすこととなる。
何より、機械仕掛けの巨人たちの、その恐るべき力によって――。
そして時は流れ、それからおよそ100年後。
五人の魔女<ソーサリス>が絶対的に君臨する、恐怖と専制の時代。
むろんそこでは、誰一人として彼女たちに歯向かおうとする者など、いるはずもなく。ただただ、皆が皆支配者の前にひたすら平伏して。
もはや、そのくびきから逃れる術はない、と。
すなわちそれくらいソーサリスが自在に操る伝説の巨人は、神話に謳われる魔獣の如く、余りに恐怖されていたのだから。かつてある一人の魔道士が、異界の秘術を寄せ集めて作り出し、彼女たちへ伝えたという、巨大なる兵器は。
……そう、どれだけ多くの財力や武力があろうと、そんなものまるで関係なかった程に。
それはまさに、有無を言わさぬ絶対的な力というやつであり。
およそ今では誰にも、真似など出来るはずもない。
魔術と技術の、完璧極まる一大融合体。
そして、それゆえだろう。
そんな世界において、いまだに魔女たちの支配覆そうとするなど、余程気がふれた者か、あるいは想像を絶した恨み持つ者の行為以外、何物でもなく。……それこそ、我が命に替えてでもそれを必ずや成し遂げんとするくらいの。
いかに時代が悲惨な局面を迎えていたとはいえ。
……そう、従ってある日、一人の少女が死せる都をある目的持って訪れた、その時も。
誰一人としてそれに気づくことなく、ましてやその行為がこれからの歴史変える大いなる事象となることも、――たとえば、一つの運命的な革命のように――理解などできるはず、なかったのである。
はたして、やがて万能の巨人が甦る、その日が来るまでは。