あらすじ
現代ダンジョンRPGの「序盤で主人公にボコボコにされて財閥を勘当されるクズ御曹司」──獅子堂明(ししどうあきら)に転生してしまった、元・限界社畜サラリーマン。
このまま原作シナリオが進めば、数年後に待っているのは悲惨な破滅ルート。
路頭に迷いたくない、絶対に働きたくない一心で、明はサラリーマン時代の知識と財閥の圧倒的利権をフル稼働して先手を打つことを決意する!
「原作主人公が覚醒する予定のダンジョン? 土地ごと丸ごと買い占めろ!」
「彼が所属する予定の最底辺ギルド? 買収して週休3日、福利厚生ガチガチの超ホワイト企業にして囲い込め!」
「婚約破棄で裏切る予定の天才悪役令嬢? 実家の借金を全額肩代わりしていつでも逃げられるようにダミー会社の権利を渡しておこう!」
すべては、将来の破滅から身を守るための『リスク分散』と『ただの保身』のつもりだった。
──しかし、世界の受け止め方は180度違っていた。
原作知識の通りに動かした精鋭が世界初のチート武器をドロップさせれば、ネットは『バカ息子一転、SSS級の予知能力者現る!?』と大炎上。
保身のために手厚く保護した原作主人公は「蓮さんは僕の命の恩人です!」と忠犬になり、円満破棄するはずだった婚約者からは「私を縛らないためにあえて悪役を演じていたのね……」と重すぎる愛を向けられる。
極めつけに、世界を滅ぼすはずの大災厄(隠しボス)がイレギュラーポップした際、明が「ビビりすぎて予算度外視で敷き詰めまくった防衛結界」がオートでボスをワンパン消滅させてしまい──。
世界中のメディアの前で、冷や汗をダラダラ流しながらも、社畜時代の営業スマイルで明は言い放つ。
「──フッ、すべて我が獅子堂グループの想定通り(の安全対策)です」
これは、ただ平穏に生きたいだけの元サラリーマンが、頭脳と財力で運命をハックし、気がつけば世界最強のフィクサーとして祭り上げられていく勘違い現代ファンタジー!