あらすじ
かつて「救国の英雄」と呼ばれた男がいた。
だが戦争が終われば、強すぎる英雄は厄介者でしかない。濡れ衣で名も爵位も奪われ、左手に罪人の烙印を刻まれ、力の大半を封じられた男は――今、辺境の街で酒場の店主をしている。
やぶ睨みに咥え煙草、酒に焼けた声。取っ付きの悪い「おっさん」に成り下がって、静かに暮らすはずだった。
そんな彼に、近所の小僧が付きまとう。「スキルを教えて」と。戦闘術師になりたいと目を輝かせる、諦めの悪いガキだ。
放っておけばいい。関わらなければいい。そう思うのに、なぜか見捨てられない。
これは、力を失ってなお、お節介だけは失えなかったおっさんの話。