あらすじ

私は、壁を見ているのではございません。 ヴェルツ家のメイド・エマには、人と人を結ぶ「縁の糸」が見えます。 うちの坊ちゃまの糸は、長いこと、血縁の銀が一本きりでございました。 亡き奥様の口癖は「あの子の糸が増える日が来るといいけれど」。 けれど糸のことは、お伝えできない決まり。私にできますのは、ニコニコと、お茶と、すこし多めの夕食だけ。 ――ある朝、畑に旅のお嬢さんが現れました。 数日後、坊ちゃまの胸元に、細い細い、金色。 本日の糸、二ミリ増でございます。奥様、ご覧になっていますか。 メイドは今日も壁のそばで、世界一の定点観測をしております。 見守り・勘違い・ほのぼのの完結短編でございます。 完結済み・読了目安10分/本編未読OK

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カクヨム
カクヨム2026/07/05
  • 現在の作品エマさんには全部見えている ――壁を見ているのではございません、坊ちゃまの恋の糸を眺めております