あらすじ
作品あらすじ
ブラック居酒屋での過酷な連勤の果てに命を落とした城木勇人は、芋ジャージ姿の女神ルチアナの手で異世界へと転生し、農キの三男坊「ユート」として新たな生を受けた。
だが、二十歳の誕生日の朝、彼を待っていたのは天界から届いた一通の「請求書」だった。
品目:伝説の鎧セット一式
金額:金貨百枚(100万円)
「……定価1万円のホームセンター(タローマン)製初心者セットじゃねえか!!」
転生時、女神の甘言に騙されて極小文字のローン契約書にサインしてしまっていたユート。一括返済の期日は1年後の誕生日。もし滞納すれば、二度と陸には戻れない過酷な闇バイトの終着点「マグローザ漁船」へ強制連行されてしまう。
しかも、餞別のはずの勇者スキル《ブレイブ》は、登録料さえ払えば誰でも貰える『量産型スキル』。その効果は「民衆の支持率が高いほど強くなる」という、完全な人気商売仕様だった。
無名の借金勇者ユートの初期支持率は、絶望の【0.1%】。ステータスは一般人以下の最弱。
マグローザ漁船を回避する手段はただ一つ。魔王を倒し、国から出る懸賞金「1億円」を掴み取ること。
ユートは、取り分でNISAと積立をして余生を過ごすのが夢の守銭奴聖女クレア、飲む打つ買うのはみ出し者エルフの賭博賢者ウィスタと手を組み、最弱の借金パーティを結成する。
しかし、この世界は狂っていた。
世間の人気を独占する大英雄ゼロスの裏には、神界の炎上神ワイズが仕掛けた「魔物に村を襲わせて自分で救い、動画サイト(ゴッドチューブ)の再生数を稼ぐ」という最悪のヤラセのカラクリがあったのだ。
支持率=信用の世界。どれだけ真実を叫んでも、支持率最底辺のユートたちの告発は「英雄への嫉妬」として握りつぶされ、世界から理不尽なネガキャンを浴びせられる。
「順番が違うだろ。弱い奴から狙うな」
力はない。金もない。世間からの支持もない。
それでも、前世から変わらぬお人好しなユートの足は、目の前の理不尽を前に絶対に退かない。打算なき勇気が引き金となる《ブレイブ》の『隠し仕様』も知らぬまま、ユートたちは知恵と段取り、そしてハッタリを武器に、泥をすすりながら巨悪へ立ち向かう。
これは、世界一割に合わない借金を背負った少年が、誰も見ていない場所で「本物の勇者」になっていく物語。