あらすじ
「──アリシア・ヴェルモンド。貴様との婚約は破棄する!」 王立学園の卒業パーティ。婚約者の王太子が、突如私を断罪した。
罪状は、男爵令嬢へのいじめ。証人多数、証拠も揃っているらしい。
──あら、そうですか。
ならば、こちらも証拠を出しましょう。
私、アリシアは記録魔だ。5歳から日記をつけ、社交の会話は速記し、贈り物の目録も帳簿もすべて保管している。
「殿下、その目撃証言は5月14日午後3時のものですね? 同時刻の私の所在、王宮の入館記録に残っておりますが」
「男爵令嬢への嫌がらせの手紙──筆跡鑑定なさいます? 私、公的機関の書式も存じておりますので」
事実を、時系列で、淡々と。
気づけば会場は静まり返り、王太子は膝から崩れ落ちていた。
私はただ、質問に答えただけ。
なのに翌朝、なぜか国中の令嬢たちから手紙が殺到していた。
「アリシア様、私たちの女神になってくださいませ」
──えっ、なんで?