あらすじ
「ノエル・クロイス様……今この時をもって、貴方との婚約を破棄させていただきますわ!」
理由は……「顔が可愛すぎるから」。
友人のあんまりな言葉にさすがに耳を疑ったが……まぁ、彼女にも何かしらの考えはあるのだろう。
それよりも私――ミリアム・バーンシュタインが注目したのは彼、ノエルの方だった。
「その子、要らないのなら私が借りてっていいか?」
傾国の男? 気が狂う? それがどうした。
私が彼に求めているのは、見てくれではなく中身――王国法も商法も魔物学も修めたという、その頭脳だ。
我がバーンシュタイン家は「武」はあっても「金」がない。父上のお人好しのせいで、借金が増える一方なのだ。
藁にも縋る思いでアドバイスを求めて取引記録を見せた時、大人しかったノエルの目の色が変わり――
「駄目です。てんでお話しになりません」
「『武』のバーンシュタインに喧嘩を売ったこと、後悔するがいい!!」
可愛すぎる男と、脳筋すぎる女。凸凹コンビの借金返済劇、ここに開幕。