あらすじ
中学一年生の一ノ瀬真昼(いちのせ・まひる)は、困っている人を放っておけない、どこにでもいるふつうの女の子。そんなある夕方、空に細い“ヒビ”が入り、まんまるで変な生き物「クク」が降ってきた。
ククは、だれかに本気で腹を立てると、頭の花から「カード」を出す“カードの神さま”。相手を【炎】で消す、心を【花】で書きかえる……どれを選ぶかは、真昼しだい。でも――一枚えらぶたびに、真昼にしか見えない空のヒビが、すこしずつ広がっていく。
理不尽な大人。泣いている友だち。許せない悪いやつ。放っておけなくてカードを選ぶうち、真昼の手はあたたかく光りはじめ、気づけば少しずつ“人間”から遠ざかっていく。そしてある日、取り返しのつかないまちがいをしてしまい――ヒビはついに町をのみこみ、世界そのものが、泣きだした。
神さまにも、裁判官にもなりたくない。ただの泣き虫のままで、わたしは何を選べばいいの?
世界ぜんぶは、すくえない。それでも――小さな手のひらひとつで、こわれていく世界をぎゅっと抱きしめる。まっすぐで、ちょっと不器用な女の子の“選択”の物語。