あらすじ
王国アレストリアでは、年に一度「スキル鑑定式」が行われる。
それは単なる儀式ではなく、軍事・産業・貴族序列までも決定する国家中枢制度だった。
貴族家の三男ユウトもまた、その場で自身のスキルを鑑定されることになる。
しかし彼に発現したのは、誰も記録に存在を持たない未知の能力だった。
――【開拓ガチャ(N)】
内容不明。
発動結果は完全ランダム。
何が出るかすら分からない“分類不能スキル”。
王国中枢は即座に対応を協議する。
処刑すれば未知の現象が起きる可能性があり、監禁や封印もリスクが高い。
だが貴族の体面上、「処刑」は選べない。
そして下された結論はこうだった。
――“追放”という名の領地下賜。
「辺境開拓の任を与える」
それは名目上は貴族としての役目。
しかし実態は、王国地図からもほぼ切り離された未踏の荒野への隔離処分だった。
そこは魔物が跋扈し、まともな人間の生存すら想定されていない土地。
実質的な“死地送り”である。
こうしてユウトは、何もない辺境へと向かうことになる。
だがその地で彼は初めて、自身のスキルを発動する。
現れたのは、小さな管理妖精リズ。
「はい、新規開拓者ね。ここ、普通に詰んでるわよ」
そして告げられる。
「でも安心しなさい。“ガチャ”がある限り、まだやりようはあるわ」
ユウトは1日1回のガチャを回しながら、荒野を開拓していく。
出てくるのは農民、鍛冶師、魔物、そして時に常識外れの存在たち。
最初は何もない土地だったはずの場所は、やがて王国すら無視できない異形の勢力へと変貌していく。
これは、“追放”という名の領地下賜から始まった少年が、外れスキルと呼ばれた力で世界の常識そのものを塗り替えていく物語。