あらすじ

私の勤め先の介護記録には、通常では記載されない記録がある。 「玄関に赤いハイヒールがあった。退室時には消失していた」 そんな不可解な特記事項が残された利用者・A様。 転職したばかりの訪問介護員・白石菜々は、先輩から「困難事例」とだけ説明され、その利用者を担当することになる。 だが、記録に書かれていた出来事は、すべて現実に起こった。 亡くなったはずの娘の気配。 誰もいない台所から聞こえる生活音。 そして、利用者宅にあったはずの赤いハイヒールは、なぜか菜々の自宅の玄関に置かれていた――。 これは、介護や相談支援の現場で語られる「困難事例」を巡る怪異譚。 支援では救えないものが、この世にはある。 それでも、人は誰かに寄り添い続けなければならない。 訪問介護職として働く主人公が、利用者の人生と怪異に向き合う、静かに侵食していくヒューマンホラー。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/07/05
  • 現在の作品困難事例〜誰も行きたがらない家〜