あらすじ

「受付なんか、笑ってりゃ誰でもできる」

王都で名高い鍛冶師『トム工房』で八年間働いてきたクララは、ある日突然、美人受付嬢との入れ替えで追放された。

親方も兄弟子たちも、鍋や包丁、鋏や釘といった生活道具は「金にならない雑用」と見下していたからだ。

――だが、彼らは知らなかった。

工房を支えていたのは、武器ではない。
街中の料理人、職人、商人たちが毎日のように依頼していた生活道具こそが工房の信用であり、そのすべてを叩いていたのはクララだったことを。

彼女が去った翌日から、有名店の依頼は止まり、返品と苦情が工房へ殺到する。
誰一人としてクララの仕事を再現できず、名工と呼ばれた工房は、静かに崩れ始めていた。

行き場を失ったクララは、街の片隅で一人の老人と出会う。

「鉄を叩きたいか?」

右手の親指だけが異様に太いその老人は、かつて伝説と謳われた鍛冶師エンゾーだった。

「喋らん道具など、一つもない」

鉄の声を聴く少女と、伝説の師。
二人が紡ぐ本物の鍛冶が、人々の暮らしを、街を、そして失われた職人の誇りを再び熱くしていく。

これは、追放された少女が真の鍛冶師となり、その火を次の世代へ受け継いでいく職人ファンタジー。

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アルファポリス
アルファポリス2026/07/04
  • 現在の作品「鍋や包丁なんざ鍛冶じゃねぇ」と追放された鍛冶師、実は町を支えていたのは私でした