あらすじ

ヒロシは生き物が大好きな少年。夏の間、捕まえた蝉や虫たちのために庭に小さな“墓”を作り続けていた。隣に住む優しいお婆ちゃんは、蝉の名前を教え、墓作りを手伝い、やがて「私もこんなお墓で眠りたい」と微笑む。 猫の死をきっかけに、二人は本物の埋葬を経験する。 そしてある朝――お婆ちゃんが突然いなくなる。 騒ぐ大人たちをよそに、ヒロシは静かに庭へ降りていく。 そこには、これまでより少し大きな新しい墓標。 埋め戻された池の黒い湿った土。 手には小さなスコップ。 ヒロシは蝉の名前を歌うように呟きながら、 “お婆ちゃんの望んだお墓”を整えていく。 無垢な優しさと、取り返しのつかない行為が交差する、 静かに冷える夏の終わりの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/07/04
  • 現在の作品蝉の墓