あらすじ
王立学院の卒業パーティー。
公爵令嬢セシリア・フォン・ローゼンベルクは、第一王子から婚約破棄と国外追放を言い渡される。
悪女と断罪され、すべてを失った――はずだった。
「婚約破棄、ありがとうございます」
そう微笑んだ彼女には、誰にも知られていない秘密がある。
王宮で使われている結界も、街を照らす魔導灯も、転移門も。
王国を支える魔道具の数々は、実は彼女が設計・改良・維持していたものだったのだ。
だから追放されるなら、自分の研究成果はすべて持っていく。
その結果、王都は少しずつ機能を失い、やがて崩壊の危機へ。
一方、辺境へ向かったセシリアを待っていたのは、「氷の魔術公爵」と恐れられる無口な天才魔術師レオン・フォン・ヴァルデン。
彼だけは、誰よりも早く彼女の才能を認め、こう告げる。
「君の力が必要だ。……いや、君に、ここで笑っていてほしい」
研究に没頭できる理想の環境。
信頼できる仲間。
そして、不器用だけれど誰よりも優しい恋。
今さら「戻ってきてほしい」と言われても、もう遅い。
これは、悪役令嬢と呼ばれた天才魔道具師が、本当の居場所で幸せを掴む物語。