あらすじ
昔々、人と鬼は土地を巡って争いを続けていた。
長い戦いの果てに結ばれた約束は「人は里に、鬼は山に住み、互いの地へは決して踏み入らない」というもの。
それから百年。
互いの姿を知らないまま、人は鬼を恐ろしい怪物と信じ、鬼は人間を残忍な存在だと教えられて生きていた。
ある雨の日、里の若者・与吉は道に迷い、山奥の小屋で鬼の娘・アヤメと出会う。
伝え聞いてきた姿とはあまりにも違う相手に戸惑いながらも、二人は互いの優しさに触れ、雨の日だけの密かな逢瀬を重ねるようになった。
しかし、禁じられた恋は露見し、与吉は里で火あぶりの刑に処され、アヤメもまた山で囚われの身となってしまう。
牢の中で、アヤメは自分が与吉との間の子を身籠っていることに気づいたのだった。