あらすじ
王城の暗い地下室で、来る日も来る日も古い言語の翻訳作業だけを命じられていた男爵令嬢のリネット。
彼女は誰からも見向きもされない地味な娘として、婚約者である王太子ルシルから「役立たず」と婚約を破棄され、城から追放されてしまう。
行くあてもなく夜の街をさまよっていた彼女に手を差し伸べたのは、隣国の使者であり「氷の帝王」と恐れられる冷酷な公爵レオンハルトだった。
「私は君の声を探していた。君の存在そのものが私の救いなのだ」
彼の領地へと迎え入れられたリネットは、そこで初めて、自分が毎日紡いでいた翻訳の祈りこそが国を守る「大結界」であり、枯れた大地を蘇らせる真の聖女の力であったことを知る。
光あふれる世界で、レオンハルトからあふれんばかりの溺愛を受けるリネット。
一方、真の聖女を追い出してしまった王国は、結界を失い滅亡の危機に瀕していた。
今さらリネットの力に気づいた王太子が連れ戻そうと使いを寄越すものの、彼女を誰よりも愛する氷の公爵がそれを許すはずもなく――。
これは、愛を知らなかった不遇の令嬢が、最高の居場所と永遠の温もりを手に入れるまでの、甘く幸せな奇跡の物語。