あらすじ

本作は既存作『金星は二度燃えた』の番外編にして解説編です。 本編で描かれた事件を後世の史料から再検討し、その背後にあった政治と経済、太陽系連合の成立、さらに第二次太陽系大戦と統一人類へ連なる歴史を描きます。 単独でもお読みいただけますが、『金星は二度燃えた』全編の重大な内容と結末に触れています。 二七三一年。内惑星と外惑星は、互いなしには生存できないほど結びついたまま、戦争へ入った。 最初に引き上げられたのは、照準出力ではなく船舶保険料だった。 認証が止まり、航路が狭められ、薬剤と食糧が届かなくなり、やがて金星の光と火星の質量体までもが都市を焼く兵器へ変わっていく。 なぜ、相互依存は平和を守れなかったのか。 講和はなぜ、平和ではなく「停止手順」にとどまったのか。 被支配者だった外惑星は、いかにして新たな支配者となり、後世の統一人類は、戦争から何を教訓として残したのか。 三六一九年、歴史家ナディア・エルシンが完成させながら、中央による検閲と改稿を受けた初期稿。約一世紀後に発見・復原された校訂版という形式で、第一次太陽系大戦を、艦隊戦ではなく、光、氷、食糧、航路、認証、保険、救難、そして「誰を死者として数えるか」という政治から読み直す架空歴史書。

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カクヨム
カクヨム2026/07/30
  • 現在の作品依存圏の戦争――第一次太陽系大戦と連合秩序の形成