あらすじ

二十六歳の会社員・三枝透は、かつて遊び尽くしたゲームによく似た世界で目を覚ます。 レベル1。装備は最弱の〈旅人の剣〉。 それでも透は、魔物の出現地点も、効率的なレベル上げも、隠された宝箱の場所も知っていた。 ゲーム知識を使えば、誰よりも早く強くなれる――はずだった。 ところが、スライムを倒す透の前で、仕立て屋の老婆はくしゃみ一つで魔物を吹き飛ばす。養蜂家の老人は、透の胴より太い枝を手斧の一振りで切断した。 この世界では、成人がレベル99なのは当たり前だった。 隠し宝箱は公共の救難箱に、伝説の聖剣は博物館の文化財に、魔物から出るゴールドは価値のない廃棄物になっている。 透が裏技だと思っていた攻略法にも正式名称があり、安全基準と事故記録、場合によっては許可申請まで用意されていた。 現地の人々は、ゲームの物語が終わった後も三百年間、同じシステムを研究し続けていたのだ。 やがてレベル6であることが公的機関に発覚した透は、法律により国民育成学校へ編入させられる。 成人なので酒は買える。 しかし在学中、包丁を持つには教師の許可が必要だった。 十二歳から十六歳の生徒に交じり、透は暗殺者を目指すルナ、建築職を志すバルクと学校生活を始める。 攻略知識では、三百年分の社会に勝てない。 それでも、この世界を外から知る透にしか思いつけない「使い道」があった。 これは、古いゲーム知識で無双できなかった男が、現地の人々と一緒に攻略メモの次のページを作り始める物語。

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小説を読もう2026/07/30
  • 現在の作品その裏技、三百年前に法規制されました