あらすじ
名前も能力も、何ひとつ表示されない遺体回収士・灰原ツカサ。
彼の仕事は、死者も生存者も、迷宮に一人残さないことだ。
すべてのダンジョンを十五年間管理してきた御門玄道が、封鎖された零号迷宮の前で遺体となって発見された。
外傷なし。毒物反応なし。
五十八歳のはずの肉体だけが、百五十年以上を生きていた。
その右手に触れた瞬間、ツカサの視界にだけ文字が浮かぶ。
《第八承認の候補者を確認》
直後、世界中の画面が同じ警告に変わった。
《七つの力を零号迷宮へ集めてください》
《期限終了時、世界を一つに確定します》
残り百六十八時間。
出口を盗む男。
過去を読む女。
時間を巻き戻す者。
そして、人間の持ち物と記憶を抱えた「モンスター」たち。
御門は何を隠していたのか。
七日後、何が消されるのか。
十五年前に新宿で消えた家族は、どこにいるのか。
ツカサは事件を追いながら、崩壊する迷宮へ何度でも戻る。
まだ生きている者を、一人も置いていかないために。
救助するたび、ダンジョン社会の前提が一つずつ覆る。
七日間の現代ファンタジー・サスペンス。