あらすじ
毒親の母、溺愛される弟、そして唯一気遣ってくれた兄。息を殺して生きてきた少女の前世は、兄の結婚式で起きた突然の落雷によって、あまりにも呆気なく幕を閉じた。
――次に目覚めた時、彼女は記憶を持ったまま、異世界の森に赤ん坊として意識を取り戻した。
謎の男・ゼロに拾われ、「イチカ」として十年間、森の奥で過ごした穏やかで幸福な日々。前世では決して得られなかった温かい時間。それが、彼女の全てだった。
ある日、森で血塗れの少女・ミカを助けるまでは。
過去を語らないミカと、不器用ながらも絆を育み、本当の姉妹のようになっていく二人。
だが、その平穏は、イチカとミカが十七歳になった時に破られた。
「俺がおとりになる」という言葉だけを残してゼロは姿を消した。そしてイチカとミカは……。
これは、壮絶な過去を持つ二人の少女が、寄り添い、戦い、そして、世界の残酷な真実と対峙する物語。
その先に待つのが、救済か、それとも絶望か。まだ、誰も知らない。