あらすじ
魔法使いリアム・ベーカーは、十年前、華国(カコク)での任務中に仲間サイモン・スタンレーの裏切りに遭い、追われる身となった。
命からがら日出国(ヒノデコク)へ帰還するも、移動ポータルの座標が狂い、見知らぬ雪山へと放り出される。
瀕死の彼を救ったのは、虹色の瞳を持つ一人の少女──世界の均衡を左右する『聖女』だった。しかし、彼女はその直後、記憶を失い姿を消す。
時は流れ現在。魔法省に所属するリアムは、聖女の行方を追う任務を命じられる。
手がかりのない調査は、一体のぬいぐるみに宿る微弱な魔力をきっかけに大きく動き出す。
そして辿り着いた先で、リアムは蓮水セラという女性と再会する。彼女はかつて自分を救った少女でありながら、過去の記憶を失ったまま平穏に生きていた。
再会の喜びも束の間、記憶を失った原因が、自分自身にあったという事実をリアムは知る。
罪悪感と後悔に揺れながらも「この命を、彼女のために使う」と彼は誓う。それは同時に、自身に課せられた『守護の力』の使命でもあった。
セラを護るため、リアムは仲間たちと行動を開始する。だが敵対する「東方連合(イースタン ユニオン)」には、かつての仲間サイモンの姿があった。さらに、魔力探知に長けた幹部ラキ・ブラントらが執拗に追跡を仕掛けてくる。
やがて交錯する各勢力の思惑。聖女の力の正体、そして彼女の存在がもたらすものとは何か。
止まっていた運命の歯車が再び回り始めたとき、リアムとセラは、重大な選択を迫られる。
これは、罪を自覚したその瞬間、迷いを断ち切り護る覚悟を決めた青年と、赦しの力を持つ少女が出会い、運命に導かれて戦いへと踏み出す物語。