あらすじ
かつて、人間の世界と薄皮1枚で隔てられている「非日常」の世界、そのあわいに引かれた細い境界線を管理する祝巫《はふり》と呼ばれる一族があった。
変若(おち)返りという不死の異能を有するが故に長命で、人間を扶けては知識を教えた。
しかし、美しいまま不老に近い時を生きる祝巫《はふり》に嫉妬したとある女が“その生肝を食らえば、その血を飲めば不老不死が手に入る”とまことしやかに周囲の村に噂を流した。
しかし噂は流れに流れ、時の権力者の耳にも届き、ついに不老不死を欲した権力者直々に“生肝狩り”の御触れを出したことにより、境界を守り続けていた由緒あるその一族は、身勝手な人間の欲望によって滅ぼされ──命からがら生き残ったのは、末の娘ただ一人だった。
日常-非日常の管理・裁定者として残された「最後の境界守り」は、一族を殺した人間たちを奥底で憎みながらも境界守の役目を手放せずにいる。