あらすじ

魔王を斬った翌朝、英雄グレンは王都に戻らなかった。討伐の功績はすべて仲間に譲り、書き置き一枚で姿を消す。理由は単純——「英雄」の看板が、次の戦争の旗にされそうだったから。そして、もう疲れていたから。 三年後。国境の峠道に、小さな宿「灯火亭」が建つ。出すのは山の飯と固い寝床、それから頼まれてもいない剣の手入れ。 なぜか、ここに泊まった客は少しずつ強くなって山を降りていく。錆びた剣は切れ味を取り戻し、折れかけた心は湯気の立つ鍋を挟んだ夜話で立ち直る。彼の“普通”が、世界の最高峰なおもてなしを受けて。 やがて王都に噂が届く。「国境に、泊まると強くなる宿があるらしい」——。 今日も英雄は、宿の暖簾を出す。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/07/29
  • 現在の作品魔王を斬った翌朝に引退した英雄、国境の山小屋で宿を始める