あらすじ

海辺の商店街には、誰もが目を奪われる二人の女性がいた。 居酒屋『こはく』を営む久遠琥珀。 老舗和菓子屋の若女将、永久野凛。 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と謳われる彼女たちの正体は、数千年の時を歩んできた魔法使い――エルフ。 かつては巴御前として戦場を駆け、阿茶局として天下人を支えた琥珀。親友の凛もまた、加賀百万石を支えたお松の方として生きた過去を持つ。 歴史の表舞台にいた彼女たちが今、何よりも慈しんでいるのは、市場の活気や、なじみの漁師や仲買人との軽口、そして商店街に流れる穏やかな日常だ。 特別な料理があるわけじゃない。 ただ、命がけで獲られた魚を「成仏」させ、誰かのために丁寧に酒の肴をこしらえる。 「もう、流浪はやめにするわ」 かつての英雄たちを愛した女将が、この街で「一人の人間」として根を下ろすことを決めるまで。 永遠を生きる彼女たちが、ささやかな「今」に繋ぎ止められていく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/07/29
  • 現在の作品元・巴御前で元・阿茶局の居酒屋「こはく」と、元・お松の方の和菓子屋。 ―魔法使い二人の、潮風香る隠居生活―