あらすじ
十九世紀末、電気と蒸気が半ばで交錯する霧の都市カレイド。ここでは「他人の記憶」が硬貨のように売買され、貧民は自分の思い出を切り売りして糊口をしのぐ。記憶蒐集官(アルシヴィスト)の見習いセオ・レインは、七年前に消えた姉の最後の記憶を探すため、政府認可の下、闇市に潜っていた。
そこで彼が発掘したのは、記憶を持たないはずの少女ロゼッタ。彼女は自分の名すら覚えていないと言いながら、なぜかセオの姉の口癖を、姉の声で、正確に囁いた。
セオはロゼッタを保護する―ふりをして、彼女の中身を暴くと決める。 ロゼッタもまたセオに微笑む―彼を利用して、あの人を殺すために。
二人の間に交わされるのは、恋の言葉に擬態した、命がけの尋問劇。